《MUMEI》
観測所
最近私は研究に没頭してしまう。
論理的に数学的に考えてゆくのに疑問を感じ始めたときはもう余生は学から離れようと思ったのに。


思えばそんな空虚さに苛立ち壁に穴を空けてから、私は変わった。
信じられないことだが補強したガムテープの中が膨らんできた。
筒が生え落ちたのだ。

私は筒がこの一室を観測出来ることに気付いた。

ただそれを不思議がるのではつまらない、私は好奇心でとある生徒の鞄にその筒を忍ばせた。


壁の穴から覗かせる瞳孔は私のスタンドミラーからちょうどよく見える。

たまに、穴から彼女の声や周りの音がするので、行動範囲なんかも特定できる。

彼女は私の観測所に気付いていないようだ。

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