《MUMEI》
無念の全裸
夜月は、美里のおなかに手を置いた。
「触るな!」
「美里。俺を捕まえに来たはずが逆に捕まっちゃって、さらに素っ裸を晒す気分はどんなだ?」
美里は夜月を睨みながら身じろぎした。
「裸にしたら、一気に罪が重くなるわよ。あたしは、あなたにこれ以上罪を重ねてほしくない」
「嬉しいこと言ってくれるね」夜月は笑うと、美里のおなかをソフトタッチで攻めた。
「触るな!」
「美里。おまえはMか?」
「何だと?」美里は怖い顔で夜月を睨みつける。
「下着で手足縛られて無抵抗なのに生意気な態度取るってことはさあ。素っ裸にされたいわけ?」
さすがに美里は唇を結んだ。
「白の下着姿もそそるから眺めていたいけど、やっぱり惚れた女の裸は見てみたいからな」
「惚れた?」
「君がマンションに来たとき、かわいい子だと思ったよ」
「嬉しくない」
「さすがは天使だ。日頃悪魔の拷問にも耐えているから、人間の拷問なんかへっちゃらか?」
(バカかこいつ)
美里は横を向いた。夜月は一旦ベッドから離れると、大きいハサミを持ってきた。
「!」美里は慌てた。「何をする気?」
「ブラを切るよ」
「やめなさいよ、そういうことは」
「やめないよ」
夜月はブラを掴むと、ハサミで挟んだ。
「やめろ!」
「やめてほしいときは、やめて、だろ」
「やめろと言ったらやめなさい…あっ!」
あっさり切られてしまった。夜月は容赦なくブラを取った。
(悔しい!)
手口が今までとは違う。美里は動揺した。
「いいおっぱいしてるじゃん」
「テメー」美里は怒りに震えた。
「さて、次は下だよ」
美里はもがいた。
「やめろ、やめろよ!」
しかし夜月はためらうことなくショーツを掴み、ハサミで挟む。
「ちょっと、やめないよ、そういうことは!」
真っ赤な顔の美里に笑顔を向けると、夜月はショーツも切ってしまった。
(嘘でしょ?)
あっさり剥ぎ取られた。美里は唇を噛んで横を向いた。
「ダメだよ、女刑事が犯人に素っ裸を晒しちゃあ」
恥ずかしさと怒りで我を失いかけたが、夜月の術中にハマってはいけない。美里はじっとしていた。
「でも美里。いい体してるよ。これほど美しい裸は見たことないよ」
美里は黙って横を向いていた。
「お世辞じゃないぞ美里。君は魅力的だよ。抱きたい」
夜月はおなかを触りながら聞いた。
「美里チャン。この体、好きにしていい?」
さすがに無視はできない。美里は目を開けた。
「ダメに決まってるでしょ」
「じゃあ、触らせて」
「ダメよ」
しかし夜月はおなかを触りまくる。円を描きながら手が胸に触れた。
「やめろ!」
怒鳴る美里を、夜月は悪魔の笑みで見下ろすと、いきなり美里の体に乗ってきた。
(まずい。やられちゃう…)
美里は本気で慌てた。

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