《MUMEI》

ショウの周りの荊は
弦を伸ばし、あっと
言う間にショウを囲
む檻を形作った。


『なっ…ユウリ先生
これは?』


視線の先のユウリの
身体がユラリと揺れ
紅のオーラに包まれ
た。


『居心地はどうです
か?ショウ様、私の
荊の檻は?
ああ、無闇に動かな
い方が良いですよ、
刺には麻痺作用があ
りますからね。』

ユウリの瞳が紅色に
妖しく染まる。


『あ、そうそう質問
の答えでしたね、は
い、私はヒューマノ
イド・フラワーです
よ、それも、第1号
の…』


シュルシュル…
音と共に、ショウを
囲んでいた荊の檻は
弦に戻り、ユウリの
体内へと収まった。


『失礼、言葉で説明
するより、お見せし
た方が理解しやすい
と思いまして…』

にこりと笑うユウリ
を、ただ見つめるだ
けのショウだった。

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