《MUMEI》

『…あの、ユウリ先
生、貴方の主は誰な
んですか?』

暫く後、ショウは尋
ねた。


『私の主は、私の生
みの親、イザーク博
士です。この研究所
の初代所長でした』

ユウリは、少し遠い
目をして笑い、胸に
そっと手を宛てた。


『今は…私と同化し
ていますけどね。
私は彼であり、彼は
私なのです。互いに
血となり肉となり溶
けて融合し進化した
のです。』


…ユウリ、可愛い私
のユウリ…私はもう
長くは無い、病魔に
侵されてしまった。


…だから、ユウリ…


…私を受け入れてお
くれ?君の中で私は
君と永遠に生き続け
よう!


…愛しているよ…


…可愛い私のユウリ
君は、私だけのフラ
ワーなのだから…


ー《イザーク博士》ー

ー私の大切な主様ー

ユウリは、彼を抱き
しめる様に、自身の
躯をギュッと抱きし
めた。

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