《MUMEI》
不安
『こんな時間に?』

夢視は白に、そう問
いかけたが、白は答
えずに急いで出掛け
てしまった。


その時は、気付かな
かったが…時間が経
つにつれ、嫌な予感
が湧いて来る。


夢視は、窓に近付き
すっかり暮れてしま
った外を眺める。


ーー白ーー

夢視の中で、嫌な予
感は大きな不安の塊
になった時…

夢視は、意を決した
様に立ち上がり、マ
ントを羽織って部屋
を後にした。


『夢視様?今時分に
どちらへ?』

普段、城からの迎え
が来る以外に自分か
らは出歩かない夢視
を見て、メイドが驚
いた表情で声をかけ
る。


『白を迎えに研究所
まで行きたいのです
が?』


『まぁ、少々お待ち
下さい。直ぐに馬車
の用意を致します』

メイドがパタパタと
走り去って、数分後
馬車は夢視を乗せて
ユウリの研究所へと
走り出した。

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