《MUMEI》 古びたアパートに着くと星羅は錆びた階段を登っていった。 自分の家に着くと鍵を開け中に入ると真っ暗だった。 別に明かりをつけなくても、自分の部屋には簡単に行ける。ボロ屋の狭部屋、星羅の部屋は玄関のすぐ隣にあった。 星羅は部屋に入ると電気をつけ、床に敷いてある布団に座り込んだ。 この家には星羅と父、2人暮らしをしている。母は星羅を産んですぐに死んでしまった。 元から体が弱く、産むのは自分と命と引き換えだと知っていた上で母は星羅を産んだ。 でも星羅は幼稚園や小学校、母親がいないことでずいぶんとからかわれていた。 前へ |次へ |
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