《MUMEI》 コロナとフレアの会話それでもアルゴンは、泣きながらゴキブリを食べた。 アルゴンのそんな様子や、アルゴンと同じメニューを平気で食べているコロナとフレアを直視できないクーは 自分の食事に集中しつつ 時々、チラチラとエアーを見て癒されていた。 そしてエアーは、黙々と試飲を続けていた。 「気付いてる?」 三人が自分達にまで気が回らない事を確認し、フレアはコロナに話しかけた。 「雑魚が三匹、要注意が一匹」 ゴキブリをゴクリと飲み込み、コロナは答えた。 「誰狙いだと思う?」 問いかけながらも、フレアは一人しか見ていなかった。 「…」 コロナも、一点を エアーを見つめていた。 「何処で、仕留める?」 「森の手前」 コロナが言う場所は、特に空気が汚染されている危険地域だった。 「連中が仕掛けて来るとしたら、そこだ」 以前は樹海のような森も、今では遊歩道ができるほど整備されていた。 だから、何かするとしたら、視界が悪く、重い防護服の為、動きが鈍くなる危険地域しかないと、コロナは考えていた。 そして実際に、そこでは遭難者や死傷者が出る事もあった。 前へ |次へ |
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