《MUMEI》
卑劣な媚薬攻め
夜月は、美里に賭けを承諾させてから、秘密兵器を出した。スポーツバッグから小型のマシーンを取り出し、美里に見せる。
「ジャーン!」楽しそうだ。「美里。これを見よ」
ブラシのように無数のトゲトゲが見える。美里は首をかしげた。
「何それ?」
「俺が研究と実験と改良を繰り返して、ついに完成した完璧な昇天マシーンだ」
美里は呆れ顔で言った。
「そのエネルギーを別のことに使ったら?」
「余裕かましていられるのは今のうちだぞ天使美里。これで攻められて無事だった女はいない」
「バカバカしい」
「今まで100パーセントの確率で全員昇天したぞ」
「あんたの周りにいる乱れた女とあたしを一緒にすんな」
美里の言葉に、夜月は冷淡な顔をして見せた。
「バカだな美里。乱れてないよ。やめてと必死に哀願している女の子を陥落させたんだから」
美里は嫌な予感が頭をよぎる。
「まさか、手足を縛ってたとか?」
「基本でしょ。SMプレイの」
「プレイじゃなくてレイプじゃないの?」美里が睨む。
「レイプはしないよ。レイプは残酷じゃん」
美里は顔をしかめて聞いた。
「事件にならなかった被害者が、何人かいるってこと?」
「想像に任すよ」
「何人の女性を毒牙にかければ気が済むの。地獄に落ちるわよ」
夜月は冷笑を浮かべた。
「美里こそ、これから天国と地獄を同時に味わうことになるぞ」
唇を結ぶ美里。夜月はマシーンのスイッチを入れた。ブラシのようなトゲトゲが、上下左右に激しく動き、回転したり必殺螺旋階段と、不規則な動きを繰り返す。
これに自分が攻められると思うと、美里はおぞましい気持ちになった。
「降参か?」
「バカな」
「美里。餌食になった女の子が、何で訴えなかったかわかるか?」
「脅したの?」
「違うよ。昇天したら、訴えられないだろ」
美里は目を閉じて首を左右に振ると、厳しい目をして夜月を睨んだ。
「卑劣ね」
「お喋りはこれくらいにして、勝負を始めよう」
「勝負にはならないと思うけど」
「そういう生意気なこと言うとカンチョーしちゃうよ」
美里は黙った。本当にそんなことされたら困る。
夜月はまたスポーツバッグから入れ物を出した。
「大切な美里の体を傷つけないように、ローションを塗るよ。俺って優しいだろ?」
(バカか)
美里は横を向いた。夜月はローションを彼女のおなかに垂らし、手で伸ばしていく。
「あたし、寝てていいかしら?」
「寝れるものならな」
美里は目を閉じて横を向いた。夜月はおなかだけではなく腕にも脚にもたっぷりとローションを塗った。
「ん?」
何となく体が火照る。ローションのせいか。すると、夜月が騒いだ。
「しまった。これローションじゃない。媚薬だ」
「媚薬?」
「これ塗ると感度がいつもの5倍になっちゃうんだよね」
「卑怯よ。賭けは無効よ」美里が睨んだ。
しかし夜月は笑顔で反論する。
「美里。何されても平気って言ったよなあ。何されてもってことは、マシーンで攻められようが、媚薬で攻められようが、落ちないってことだろ?」
美里はムッとしたが、反論はしなかった。とにかく勝てばいいだけだ。
夜月は美里のいちばん敏感なところにも、容赦なく媚薬を垂らす。さらに胸にも垂らし、両手で揉みまくる。
(舐めやがって…)
美里は歯を食いしばった。
準備完了らしい。夜月はマシーンのトゲトゲにも媚薬を垂らし、美里の股間に当てると、固定した。
「これでどんなに腰をふりふりしても動かないぞ」
「くだらない」
「美里。これはお尻もあそこも広い範囲を攻めちゃう優れものなんだ」
「下品な解説はいいわ」
「聞かないと足の裏をくすぐるぞ」
美里は黙って聞いた。
「女の子の急所はそれぞれ違うんだ。でもこの無数のトゲトゲのどれかが確実に急所に入っちゃうわけよ」
「……」
「では行くよ。スイッチオン」
マシーンが激しく動き出した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫