《MUMEI》
秘密兵器
1分が経過すると、美里の脚や腰が動き始めた。夜月はすかさず言葉でも攻める。
「あれ、もじもじして、どうしたの?」
「別に」
「気持ちよくなって来ちゃったの?」
「まさか」
美里は唇を結び、ポーカーフェイスで横を向いた。
(気持ちを確かに持とう)
トゲトゲは容赦なく美里の敏感なところを攻めまくる。上下左右に動き、回転し、螺旋階段。これはさすがにきつい。
「ふう」
「降参?」
「笑わせないで」
美里は動揺した。徐々に妙な気持ちになってきた。深呼吸するたびに夜月が顔を覗き込む。
「ギブアップ?」
「うるさい!」美里はムッとした。
認めたくないが、このまま攻め続けられると危ない。美里は唇を噛んだ。
「感じてきちゃったの美里?」
「だれが」
「俺のこと好きなの?」
「バッカじゃないの。くだらないアニメの見過ぎで頭おかしくなったの?」
「そうかもしれない。ハッハッハッ!」
大笑いをしたかと思うと、夜月は急にまじめに話した。
「でも美里。くだらないは語弊があるぞ。アダルトだって素晴らしい作品はあるんだから」
美里の額に汗が滲む。夜月はそれを見逃さなかった。全身にもうっすらと汗が光る。
「美里。思い知ったか。俺の秘密兵器を」
「何の話?」すでに美里の息づかいが荒い。
「じゃあ、これは何かな?」夜月は意地悪く立ってしまった乳首を指で弾く。
「やめろ!」美里は怒った。
「やめろって、やめるわけないじゃん」
空いている両手が胸やおなかを触りまくる。美里は上下を同時に攻められ、湧き上がる快感に歯を食いしばった。
「胸は許してほしい?」夜月が胸を攻めながら顔を覗き込んで来る。
(こいつだけは…)
睨む美里に、夜月は得意の言葉攻めだ。
「美里。いいこと教えてあげようか?」
「何よ」
「このマシーン、弱中強とあるんだけど、今中なんだよね」
美里は焦った。
「強にしたら落ちちゃうよ。いい? 強にしても」
美里は答えない。
「強はやめてって言えば、強にするのは許してあげるよ」
「バカバカしい」
「バカバカしい?」夜月は悪魔の笑顔。「じゃあ落ちな」
強にされてしまった。勢いもスピードも違う。美里は硬直した。経験したことのない気持ちよさが下半身を直撃し、本気で慌てた。
(嘘でしょ?)
赤い顔の美里はポーカーフェイスが保てない。色っぽい表情をしてしまう美里に、夜月は興奮した。
「気持ちいい?」
「だれが」
「じゃあ、こういう意地悪するよ」
両方の乳首を弾きまくる。
「あっ…」
「あれ、今の歓喜の声?」
「うるさい」
今度は胸と下腹部攻め。
「おなか弱いだろう?」
「ほざけ」
「下腹部結構ダメだろう?」
(あん!)
美里が両脚を激しく動かした。急に昇りつめて来てしまった。
(まずい、何とかしないと)
美里は弱気な顔で夜月を見る。
「ヤバいの?」
夜月は勢いづく。マシーンだけでもきついのに、両手が的確に美里の弱いところを攻める。それが悔しい。
「あっ…」
「ダメだよ、犯人に攻められてるのに女刑事が変な声出しちゃあ」
「貴様…」
「かわいい」
(ダメだ、耐えられない。どうしよう…)
「美里。体賭けてんだぞ。負けたら俺に抱かれちゃうんだぞ」
悔しい。今さら無謀な賭けと後悔しても遅い。
「あっ…あん!」
「降参美里?」
美里は激しくもがいた。
(負けてたまるかこんなバカに)
歯を食いしばる。
「くううう…」
「落ちる?」勝ちを確信する夜月。
「あっ…んんん、んんん!」
真っ赤な顔で激しく首を振る。夜月は容赦なく両手で美里の弱点を攻めまくる。
「んんん、んんん!」
(ヤダ、負けたくない。こんなバカには負けたくない!)
「ちょっと、待って」
「待つわけないじゃん」
「いいから一旦止めなさいよ!」
「止めるわけないじゃん」
美里は諦めなかった。落とされるわけには絶対にいかない。
「くううう…」

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