《MUMEI》 天使美里肉体は追い込まれても、理性は飛ばされていない。 美里は必死に耐えながら、夜月に言った。 「やっぱり媚薬は卑怯よ」 「聞く耳持たないよ」 まずい。限界が来た。落とされてしまう。耐えられないのだから、何とかやめさせる以外にない。 「ちょっとくらい待ってもいいでしょう」 「待たないよ」 「武人の情けはないの?」 「ないよ」 ダメか。すると、また夜月が両乳首を同時に弾きまくる。 「やめろ!」 悶える美里を見ながら容赦なく弾きまくる。 「やめろバカ!」美里は泣き顔で叫んだ。「やめろドエスアクマン!」 「ドS悪魔?」夜月はマシーンを止めた。 「はあ、はあ、はあ……」 「今ドS悪魔って言った?」 「言ってない」 「言っただろドS悪魔って?」 「ドS悪魔なんて言ってない。ドエスアクマンって言ったのよ」 「ドエスアクマン!」夜月は目を輝かせた。「知ってんの美里、ドエスアクマン?」 「…ええ」美里は話しながら乱れた呼吸を整えた。 「見るんだ、ああいうのも。俺と話が合うかもしれない」 「趣味で見るわけないでしょ。捜査資料よ」 「ああ、押収物か。レイプ犯の部屋にでもあったのか?」 「捜査の秘密を犯罪者に話すわけがないでしょ」 「話してもらうよ」夜月はマシーンのスイッチを入れた。 「ああ、わかった話す、話す!」 止めてくれない。美里は慌てた。 「話すって言ってるでしょ!」 真っ赤な顔で怒る美里に、夜月は容赦なく胸やおなかを触りまくる。 「どうせ時間稼ぎだろ?」 「違う、違うよ」 止めてくれた。 「はあ、はあ、はあ……」 「かわいい。そんなに気持ちいい?」 美里は悔しさを噛み締めて、話した。 「奇妙な事件が起きたのよ」 「奇妙な事件?」 「若い女性を、野外で裸のまま置き去りにするの」 「ほう」夜月の目が危ない。 「二人も被害者が出て。でも犯人の目星はついてた。その男のマンションにあったのよ。ドエスアクマンのDVDが」 「なるほど」 美里は深呼吸すると、続けた。 「同じ作品をあたしも見たわ。感じたのは、犯人とドエスアクマンのやり方が、似ていること」 「似ている?」 「だってドエスアクマンは天使ミサトを殺そうと思えば殺せたでしょ。でも容赦した」 「優しさだよ」夜月が微笑む。 「あたしはそうは思わない。悪魔の特徴は、血も涙もない非道な部分と、もう一つは、人を自分の意のままに動かしたい。優越感にひたりたいという邪な部分がある」 「よこしまか。当たってるかも」夜月は美里のおなかに手を乗せると、聞いた。「いつから俺が犯人だとわかった?」 「マンションであなたを見たときよ」 「勘か?」 「勘よ」 「そうか。時間稼ぎはおしまい」いきなりスイッチオン。 「あっ、ちょっと待ってよ」 「待たないよ」 美里は腰を激しく動かして快感に耐えた。 「話の途中でしょ!」 「話は終わったよ」 「終わってない…あん!」 美里は仰け反った。 「あああ!」 「かわいい!」 「なぜあの三人を狙ったの?」 乱れながらも質問する美里。夜月はスイッチをオフにした。 「はあ、はあ、はあ…」 「頑張るねお姉さん。さすがは天使美里。簡単には落ちないか?」 美里は悔しい気持ちを隠し、友好的に話した。 「なぜあの三人を狙ったか、興味あるわ。教えてよ」 「いいだろう。時間稼ぎに乗ってあげる。俺の場合は優しさだろ?」 美里は甘い声で答えた。 「そうかもね」 「演技がヘタだぞ美里チャン」 「演技なんかしてない」 前へ |次へ |
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