《MUMEI》

M菜「――…ごめんなさい…。」



最後にメロンパンナは、伏し目がちに視線を外すと、小さな声で告げ足した。




アンパンマンは、灰皿の上に置いた煙草を再びくわえる。




A常務「――――……。」



吸い込むでもなく、ただくゆらすだけの煙草の尖端から、蒼白い煙だけが応接室に漂っていった。




M菜「――――……。」



メロンパンナは黙ったまま、そんな男の指先を見つめている…。




―――… チッ‥チッ‥チッ‥チッ …。



耳に届くのは時計の秒針が時を刻む音だけ――…




二人の間には、重苦しい沈黙と空虚な時間だけが流れてゆく――…。

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