《MUMEI》

入学式を終え、教室に戻ってきたラスたちB組メンバー。今から自己紹介をするようだ。

「よーし、まずは自己紹介をしよう。最初に俺だな。俺はバーグ・ジェティ。お前たちの担任だ。見ての通り属性は火。得意武器は槍だな。一年間よろしく頼むぜ!」

パチパチと自然に聞こえてくる拍手。それだけでこのバーグという教師が受け入れられたことが分かる。

まあそれもそうだろう。元々彼は、気さくで友達感覚で付き合える教師として人気があったのだ。B組の生徒たちは運が良かった。

「じゃあ出席番号順に自己紹介してってくれ」

「はい」

立ち上がったのは蜂蜜色の髪の少年。誰がどう見ても美少年である。女子から黄色い声が漏れる。

「アイン・ミッドナイトです。属性は雷で、武器は短剣が二振り。男子の友達が少ないので、高等部進学をきっかけに沢山作れたらな、と思います。これからよろしく」

ニッコリと笑うアインに、女子が騒ぎ立てる。男子は面白くなさそうだ。あからさまに舌打ちする者もいる。高等部に上がっても男友達は増えそうにないな、とバーグは内心苦笑した。

次に立ち上がったのは、晴れ渡る空のような青髪の少女。騒いでいた者たちは押し黙ってしまった。彼女のことは知っている。だがそれでも、改めて見ると押し黙ってしまう程、彼女は可憐だ。

「アテナ・クレールです。属性は水、武器は杖。中等部で一緒だった人も初めての人も、どうか私と仲良くして下さいね」

途端に歓声に包まれる教室。それにはにかみながら応えるアテナ。途轍もない人気者だ。

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