《MUMEI》 運動神経よすぎる…「おい!待てってば!!」 「あ?今日はお前連れ出すため に来たんだぜ?降りてこない なら帰る」 「あ〜もう!!分かったよ!飛び 降りるから、帰るな!!」 「ハァ、最初からそう…って、 おい!!」 やっと納得した梨央の言葉に、元いた場所まで引き返そうとすると、梨央が柵を乗り越えているのが目に入った。 あいつ、まだ俺が準備してねぇのに!! 「おまっ、待て!!危ねぇだろ!」 「ん?大丈夫だって。ここでス タンバってるだけだか…あ」 「!!あのバカッ!」 柵を乗り越え終わった瞬間、梨央は足を滑らしてバランスを崩した。 悠一は全速力で、落ちるであろう場所に走った……が、 「…っと危ねー。よい、しょっ と!」 「………」 梨央は片手で柵を掴んでぶら下がり、そこから上に登ってしまった。 とてもお嬢様のもつ運動神経だとは思えない。 「…あ。悠一、わりぃな。せっ かく全速力で走ってきてくれ たのに」 「いや、別に…。ってかお前、 ホントにお嬢様?」 「あのさ、何回確認すれば気が 済むの?僕は正真正銘お嬢様 なんですけど」 「うわー、自分で言っちゃった よ。何この人ー」 「お前が聞いたんだろーが!!」 「そうだけどさ。何か…ねぇ?」 「何かじゃねぇよ!」 こういう話し方もお嬢様だと思えないってことに気付いてほしい…。あー俺、マジでお嬢様のイメージがどんどん変わっていくな。 前へ |次へ |
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