《MUMEI》
お出掛け
そんなことを考えながらボーッとしていると、梨央に怒鳴られた。






「ってかさ僕、もう飛び降りて
 いいの!?早くしてよ!」

「ん?いいけど、さっきの見た
 ら受け止めなくてもいい気が
 してきたんですけど」

「このバカ!!さすがに死ぬだろ
 !!ここ何階か分かってんの!?」

「4階だろ?」

「分かってんじゃん!死ななく
 ても、足の骨砕けるよ?」

「だなー」

「おい、分かってんなら受け止
 めろよ」

「はいはい、どーぞ。飛び降り
 てください」







悠一がやる気なく両手を広げて準備する。



…なんか落とされそう



梨央は本当に落ちるかもなどと思いながらも、思い切って飛び降りた。



下で待つ悠一は梨央を見事にキャッチし、そのまま走り出す。


そして、悠一のであろう自転車の後ろに乗せられた。






「…なぁ、自転車の二人乗りっ
 て違法行為って知ってる?」

「あ?んなもん知ってるよ」

「でもさ、今してんじゃん」

「うるせぇ。黙って乗ってろ。
 それとも、梨央だけ走るか?」

「う〜ん…。悠一が走ればいい
 と思う」

「黙ってねぇと、マジで降ろす
 よ?」

「はいはい」







そんな会話をしながら自転車に乗ること15分。そこは、梨央が来たことのない場所だった。

その場所とは…

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