《MUMEI》 マカが一歩を踏み出した時、横から二つの影が飛び出した。 大きな黒い鎌を持ったカルマと、黒い拳銃を両手に持ったナオだった。 「ちっ…!」 シキは舌打ちをし、咄嗟に刀を地面に刺した。 ドンッ! 「うわっ!」 「きゃあっ!」 「くぅっ…!」 シキが『気』を込め、刺した地面が一瞬にして爆発した。 土埃を上げ、降りかかる土や石から、体を縮めて自身守る。 やがて土埃は消え去ったが…シキの姿まで消えてしまった。 「チッ! 逃げられたか」 マカは大きく抉れた地面を見て、忌々しげに舌打ちした。 そして剣を大きく横に振ると、剣は溶け、マカの右手の紋様になった。 黒き紋様は、そのまま手に溶けて消えた。 「げほっ…。すみません、マカ。お役に立てなくて…」 「こっちもゴメンなさい。逃がしちゃって…」 カルマとナオも埃を払いながら、マカの元へ来た。 「手応えは?」 「あっ、一応ありました」 「私の方も。無事には帰しませんよ」 カルマの鎌には血が付いており、シキがいた場所には血の跡が残っていた。 「ふむ…」 マカは腕を組み、顔をしかめた。 「2人の攻撃を受けて、無事に済むハズが無い。どこかでまた人を喰らうはずだ」 そこで深く息を吐き、後ろを向いた。 「大至急、網を張ろう。ソウマの店に戻るぞ」 「「はい」」 2人は頷き、3人は山を下りた。 前へ |次へ |
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