《MUMEI》
斎場の駐車場で…
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―――…翌日。



多摩丘陵の新興住宅街には、小雪がチラついている――…。



住宅街からほど近い斎場の駐車場に、一人の男が車から降り立った。



男は車のドアを閉めると、特に何をするでもなく、暫くの間その場に佇んでいた…。




―――… ガサガサッ!



その時、冬の風に飛ばされてきた一枚の新聞紙が、男の足に引っかかった。



その新聞紙には『ジャム食品経営破綻』の見出しが踊っていた。



男はそれを拾いあげるでもなく、払い退けるでもなく――…



ただ其所に、ぼんやりと立ち続けるだけだった…。



やがて新聞紙は風に遊ばれ、男の足元から飛び去ってゆく…。

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