《MUMEI》
帰り道3
鳳凰寺 修治視点


白田先生の車から、さっさと降りた真中と安西は、すぐに寮に入っていった


正直、ずっとピンクオーラ出しててうっとうしかった


でも、真中が可哀想だったのは知っているから、我慢した


二人はどうせ真中の部屋で夕飯を食べるから、俺は誠と食堂に行こう


そう思い、俺の後にいるはずの誠に声をかけようと振り返る


しかし、誠は


今、車を降りたところだった


「どうかしたのか?」

「んー、ちょっと忘れた事あったんだけど…

ま、明日でもいいから」


忘れた事?


物じゃなくて?


誠は本当にどうでもよさそうだったが


「それって、生徒会役員絡みか?」


俺はあえて追及してみた


「あー、まぁ…」


これは、全員じゃないな


「会長か?」

「いや」

「副会長?」

「違う」

「会計?」

「違うよ」


じゃあ


「書記、…神澤か」

「まあな」


思い出すのは、誠大好きオーラを出しまくっていた神澤の


今まで俺が見た事も聞いた事も無かった言動


「…付き合うのか?」


自然と、俺の口からそんな質問が出ていた

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