《MUMEI》

斎場を訪れたその男は、アンパンマンだった――…。




アンパンマンは黒の礼服に身を包み、この斎場で執り行われる葬儀に参列する様子だった。



だがアンパンマンは、何故か斎場に足を踏み入れることはなく――…



参列者らを遠目に眺めながら、普段の威光が失せた面持ちで佇んでいるだけだった。




アンパンマンが見つめる視線の先には――…




葬儀用の花輪と……




悲しみに暮れる人々……




そして――…




『カレーパンマン家之葬儀』




…と白地に黒字で書かれた看板が立てられていた…。

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