《MUMEI》

車は都心から少し離れた場所にそびえる真白い建物の地下駐車場に止まった。


「では所長への報告お願いします。」

「へいへい。」

気の無い返事をしながら瀧はエレベーターに乗り込む。

30階ある建物の10階を押す。
この建物こそが彼ら《SC専門対策研究機関 イージス》の本部である。この他アメリカとイギリスにも支部が存在する。
最も上に出ているのはオフィスや応接室関係や居住空間が大半で重要な訓練施設やラボは地下に広がっている。


エレベーターが止まり扉が開く。いくつかの部屋を通りすぎ、所長室の扉に認識カードを通す。

ピピッ、ピー

一瞬間をおいて扉が開く。
「ご苦労様、という程の事はないのかしら?」

灰色の弛いウェーブのかかった髪に褐色に近い肌の美女がデスクに座って微笑んだ。

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