《MUMEI》

「いゃあ、私的には上出来なんだがね」




ふぅ、と言いながら額の汗をぬぐう




「髪をロングにしたのか」

「うん、長いほうが色っぽくなると思ってさ」






東方面の待合室。


そこにいたのは
でかめのコートを身に付けたルワンと
それに付き添うシャルドネ
色々大変だったのか汗だくのアンソニ


そして…


赤い髪がひときは映える
真っ黒なドレスを着たアークリィー


恥ずかしいのか俯いて前を向かない
するとルワンがおもむろにアークリィーに近づく




「な、なんだよ」


顔を赤くするアークリィー





「…着飾ってキレイだか、首から上がな、なんだかな…」

「うるせぇぇぇ!!ムリなこというな!あたしのせいじゃねーよ!親のせいだよ!」


「あーぁ、可哀想に…性別が女なのに男のルワンさんに負けるんだもんね。でもしょうがないよアーキュリー、ルワンさんそこらへんの女より可愛いもん」


「うううるせぇ―ッ!傷つくだろうがぁ!つかアーキュリーって何だよ!腹立つなぁ!!(怒)」

「言葉使い、言葉使い」





静かに。と言うよおに
人差し指を口にあてる




「シュール子爵が来られたようですぞ」

「よし、では行くぞ。シャルドネ直ちにホールへ、ちゃんとおもてなしをしろよ」

「わかっております」

「アンソニ!お前は使用人たちの指揮をとれ」

「はいはーい」

「アークリィーお前は…絶対に粗相のないよう、上品に振る舞え」


「チッ………わかったすよ」


『上品にッ』



「あーもう、強調しなくたって……参りましょうかルワン様」

「その調子だ」







ニヤリとアークリィーに笑みをこぼす
アークリィーは心底嫌そうだった

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