《MUMEI》

漂うアンパンマンの視線の先――…。




開け拡げられた斎場の扉の奥には…




突然、夫を失い途方に暮れるチョココローネと…




まだ父親の“死”を理解できないのか、愛苦しい眼でキョロキョロと辺りを見回すカレーパンナの姿があった。




アンパンマンは、その光景を目に焼き付けるように凝視しながら、唱えるように……詫びるように心中で呟いた。




(カレーパンマン……済まない。



…僕やジャムおじさんが起こした過ちを…



…会社を守るためという大義名分にすりかえて……



…僕は……キミの命と……キミの家族の幸せを奪ってしまった…。)





斎場から流れる読経を耳にしながら、アンパンマンはじっと目を閉じて頭を垂れた…。

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