《MUMEI》 要注意一匹の報告一方、コロナに要注意一匹と言われた人物は、クー達がレストランを出たのを確認し、ホテルを後にした。 タクシーで向かった先は、一軒の高級別荘だった。 「ただいま戻りました、社長」 「ご苦労」 そこで彼を待っていたのは、O2カンパニー社長だった。 「目的は遂行できそうか?」 「厄介なのが二人います」 彼 社長専属のSPが言う厄介な二人は、もちろんコロナとフレアの事だった。 「必要なら増員するが…」 「いえ。そこまでは必要ありません。二人は私のターゲットがエアー『様』だと思っていますから」 社長にとって特別な存在のエアーを、SPは様付けで呼んでいた。 「なるほど」 「その勘違いを逆手に取れば、本来のターゲット クーを追い詰め、確認する事も可能だと思います」 「わかった。お前に任せよう」 「ありがとうございます」 「それにしても、…似合うな」 「…ありがとうございます」 社長の最後のほめ言葉は、彼にとって微妙だった。 今、彼は本来の姿ではなく、肌を小麦色に焼き、目に茶色のカラコンを入れ、髪を赤く染め 現地の人間と言われても違和感の無い姿になっていた。 前へ |次へ |
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