《MUMEI》

斎場の外に舞う小雪の粒は、だんだんと大きくなってゆく…。




身を切るような冷え込みの中、アンパンマンが目を閉じて友の冥福を祈っていると――…




カレーパンナ「おじさん、どうしたの?」




突然下から呼びかけられた幼子の声に、アンパンマンは思わずギクリとなった。




見ると、アンパンマンの腰の高さもない小さな女の子が、クリクリとした眼で見上げていた。




巻き貝状のパン生地の頭に、チョコクリームとカレールゥをブレンドした具材…



その目は、お父さんそっくりだった――…。

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