《MUMEI》

 
「任せて私一年から朗読やってるの!」

   「はい」

「今年は内館君講習受けようね」

   「はい」

「これ去年の賞入った人達のなんだけど今聞こうか」

   「はい」

すげー、あの七生が押されている。
女三人揃えばなんとやらというやつか?
先輩達はクラス違うのにまとまっていて羨ましい。


「はーい質問でーす」
ただ一人の新入部員、高遠 光が挙手した。

ちょいちょい雑誌やらで巷を騒がせ始めた若手俳優のようだ、アイドルに近いかな。
俺の高遠のイメージは派手が先行している。
グレイアッシュの髪にピアス三つもしてるし。
俺より背が高いのがナマイキ。
スカしたようなわざとらしい造られた恰好良さがある。
それでも皆どこかで電波の中の作られた虚像のアイドル達にすがるんだ。


「来月ちょっと忙しくなるかもしれないんですけど」


「なるべく空いてる時間来てね。
部活顔出すだけでもいいから、お祭りだと思って皆で楽しもう。」
部長……じんと来た。

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