《MUMEI》 いまは真昼――… 幼子が見上げる空には、ぶ厚い曇が垂れこめている。 当然そこには星など輝いている筈もなく、冬の空から舞落ちる雪が、幼子の頬で溶けては消えてゆくだけだった。 だがカレーパンナには見えているのだろう――… 曇の上に、星となった父親が、いつまでも自分を見守っている姿が…。 そして、そんな幼子のいたいけな言葉は、アンパンマンの心を強く揺さぶった。 (ごめんよ……カレーパンナちゃん…。 …本当にごめん…。) 何度も心の中で唱えると、その目から大粒の涙が溢れ落ちた――…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |