《MUMEI》

…もう国には戻れな
い、あの人とも結婚
出来ない…

王妃は、余りのショ
ックに泣き崩れ塞ぎ
込んでしまいました


しかし、幸いな事に
レイノルド殿下が産
まれて、それを一番
喜んだのが、陛下で
王妃と殿下を毎日の
様に見舞いました。


そんな陛下の心に触
れ、王妃も少しずつ
心を開いてゆき、三
人は家族になりつつ
ありました。


周りも安堵したのも
束の間…


王妃の耳に母国の風
の噂が入りました。

王妃の恋人が結婚す
るのだ、と…。

やっと落ち着き始め
ていた王妃の心は、
また嵐の様に荒れ狂
いました。


…あの人が結婚して
しまう…

…何故、私は此処に
いるの?
あの人と結婚するの
は私だったはず…

…あぁ、早く国に戻
らなければ、あの人
が誰かの者になって
しまう…


…私をこの国に縛り
着けるモノは何?…

そう思った、王妃の
瞳に映ったモノは…

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