《MUMEI》
癒しの時間2
けど、一応確認


「門脇さんて」

「寮官の、門脇真人(まさと)の息子です」


だよな


上品で優しそうな笑顔までそっくりだ


にしても


「用務…主任て?」

「それは歩きながら説明します。食堂、閉まってしまいますから」

「あ、はい」


門脇さんの息子さんの言葉に、頷くと


虎之介先輩と、鳳凰寺も一緒に歩き出し、エレベーターに向かった


ちなみに寮の鍵は、学園に行く時は持っていくから、今も手元にある


だってこれ、学園の個人の下駄箱やロッカー


生徒が使う教室全部の鍵らしいし!


何でも昔、ひどいいじめがあって、そうなったらしい


中には男が男をレイプしたりもあったらしい


…怖っ!


四人で乗ったエレベーターの中でそんな事を考えていたら


「高橋君? 話を始めてもいいですか?」


門脇さんの息子さんが優しく訊いてきた


「あ、はい、すみません」

ボーッとしてたのは、俺なのに


いい人だな


「まず、私の事は名前で呼んで下さいね」

「いいんですか?」


確かに『門脇さんの息子さん』じゃあ呼びづらいけど

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