《MUMEI》 . 彼女を指差しながら、興奮したように話すわたしに、廉は眉をひそめてわたしの視線を追う。 わたしと同じように彼らの姿を見つけて、ああ…と、なんでもないように呟いて、 「何回か共演したことがあったからな…来てたんだ」 ぼんやりとひとりごちていた。 わたしは、すっごーい!とはしゃぐ。 「生で見ちゃったよ!顔ちっさい!足長いっ!!細ーーッ!!」 ヒャー!!と奇声をあげると、廉は彼女の隣の背の高い男のひとを指差して、 「あれ、あのひと、トップモデル。今、いろんなコレクションに引っ張りだこ」 と、説明してくれた。 . 前へ |次へ |
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