《MUMEI》 . 少し考えてから、わたしはハッとして廉を見上げた。 「バースデーイベントって、あんたの誕生会だったの!?」 素っ頓狂な声をあげると、廉は眉をひそめた。 「今さらかよ?」 呆れたように言われ、わたしは、聞いてないッ!と言い返す。 「なんでそーいう大事なことを言わないのよ!!」 「言ったらお前、来ないじゃん」 「騙したわね!!」 「ウソは言ってないし」 ギャーギャー言い合っていると、そこで初めて【シュン】がわたしに気づいたようだった。 あれ?と、わたしの顔をヒョイと覗き込む。 「仁菜ちゃん、だよね?」 このまえ楽屋に遊びに来た…と言われ、わたしはハッと我に返る。 . 前へ |次へ |
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