《MUMEI》

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慌てて【シュン】に向き直り、その節はどーも!と深々と頭を下げてかしこまると、【シュン】は大笑いした。


「なにそれー!全然ときめかないんだけどー!」


アハハと朗らかに笑う【シュン】を見て、わたしは少し、恥ずかしくなる。

黙って俯くと、【シュン】は首を傾げて言った。


「今日、かわいい格好してるね。そのワンピース、よく似合ってるよ」


照れる様子もなく、サラリとお世辞を述べる。多分、言い慣れているからだろう。

わたしは、ハハハ…と乾いた笑いを返した。

そんなわたしたちに廉は、変装用の眼鏡を外し、会場内をキョロキョロ見渡しながら、


「【ユーゴ】は??」


と、【シュン】に尋ねた。そういわれてみれば、姿が見えない…。


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