《MUMEI》
ネオンからのモーニングコール
アルゴンが慌てて着替え始め


お約束のように、靴下を立ったままはこうとして、ホテルのカーペットの上に転がった時


あ、ネオンからだ


クーの携帯画面に、ネオンの名前と、ウインクしたネオンの顔がうつし出された。


ピッ


「もしもし」

『おはよう、クーちゃん」

「おはよう。ネオンも今起きたところ?」

『えぇ』


南国と地元の時差は丁度十二時間あり


夜型のネオンは丁度起きたところだった。


『そっちは大丈夫?アルゴン迷惑かけてない?』

「あー」


かけてないと言えばかけてないけど


入国審査で引っかかったり


地元料理に挑戦して、体調崩しかけて


キセノンの薬でうなされていたり


今も、転んだままのアルゴン


「…」

『…』


クーとネオンの間に沈黙が流れ


『…ちいさいドジは、してるわよね、絶対』


ため息と共にネオンが断言したので


「う、ん」


クーも正直に答えた。


やっぱりネオン、アルゴンわかってるよな


口に出すと不機嫌になりそうだから、クーはその時思った事は、ネオンには伝えなかった。

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