《MUMEI》
キセノンと夕食
『じゃあ、行ってくるね』

「気をつけてね」

『大丈夫、コロナとフレアがいるし』

「そうね」

『じゃあね』

「えぇ」


大丈夫、よね?


クーとの通話を終えたネオンは、携帯を握りしめた。


「…いけない!支度しなきゃ!」


そして、時間を確認し、慌てて着替え始めた。


洋服は着れれば何でもいいクーや


着れる洋服のサイズが少ないアルゴンと違い


ネオンはオシャレでセンスが良かった。


「ん。カ・ン・ペ・キ」


鏡で全身チェックをしてから、ネオンはフード付きのマントとゴーグルをつけ、外に出た。


そして、タクシーで向かった先は、キセノンの家だった。


「いらっしゃい、ネオン」

「ご馳走いただきにきたわよ」


ネオンはキセノンに招かれ、キセノンの自宅で夕食をとる事になっていたのだ。


「張り切って作ってたわよ、母さん」

「それは楽しみね」


キセノンの母親は、元病院の料理長で、栄養士の資格もあり


アルゴンと同じ位家事が完璧な女性だった。


そんな母親とキセノンは見た目はかなり似ているが、中身父親似のキセノンは、料理が全くできなかった。

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