《MUMEI》 「それで? オレに見せて、何なの?」 「コレ…見てて不思議な気分にならないか?」 「気持ち悪いとか、怖いとかってことか?」 「まあ…それもあるだろうけど」 いつも明るいヤツだが、何だか様子がおかしい? 「何か見て無いと不安になるんだ」 「それってただの好奇心だろ? 怖いもの見たさってヤツだ」 「そうかもしれないけど…」 そう言いつつも、ケータイをぎゅっと掴んでいる。 「…なあ、ここがどこだか、分からないかな?」 「あっ? 撮影場所のことか?」 「うん。コウガ、お前もHP持ってて、情報とか入ってくるんだろう?」 「オレがやっているHPは、オレが撮った自然の写真を公開しているだけで、こういう都市伝説的なのは専門外だ」 オレは写真を撮るのが趣味で、この高校を選んだのだって写真部が名高いからだ。 個人のHPも持っているし、部でもHPを管理している。 おかげさまで人気で、写真コンテストでは何度か賞を貰っているし、ファンもいる。 だからこういうオカルト系には全く疎いんだが…。 「なっ、頼むよ? 写真とか映す人達って、わりと話合うだろ? そこから情報、聞き出してくれよ」 手を合わせて頼んでくる友人だが、オレは眉をひそめた。 「だけどなぁ…」 「ねぇ、それって例のサイト?」 オレ達の会話を聞きつけたのか、数人の男女含めたクラスメートが近付いてきた。 「アタシもダウンロードしたよぉ」 「ボクも! 何か気になる動画だよなぁ」 「…お前ら、ヒマなのか?」 前へ |次へ |
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