《MUMEI》
自問自答
アンパンマンは斎場の駐車場で膝まづいたまま――…




チョココローネから浴びせられた憎しみの感情に、暫く身動きもできず――…




斎場から漏れだす葬儀の読経を耳にしながら、謝罪の言葉を心の中で繰り返すことしかできなかった。




(すまない……すまなかった……。)




うつ向く視野の片隅には――…




自分の顔の断片であるアンパンが、忘れられたように泥水に浸かっていた。




子供の口に入れることを拒絶され、チョココローネによって払い飛ばされたそれは、アンパンマンをより一そう惨めな心境へと追いやった。

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