《MUMEI》

.

予期せぬメンバーの発言と行動に、戸惑った廉は離れ行くわたしたちを追いかけようとしたが、


「【レン】見〜っけ!!」


「遅ーい!!何してたの〜!?」

「お誕生日、おめでとう!!」


あっという間にたくさんのゲストたちに囲まれ、身動きが取れなくなってしまった。

その隙にと言わんばかりに、【シュン】はわたしの手を引き、廉から遠ざかっていく。


「ちょっと!!【シュン】さん!」


あまりの強引さに呆れ、たまらず呼び止めたわたしに、【シュン】は振り向き、ニコッとほほ笑んだ。


「俺らは俺らで楽しもーよ」


ね?と首を傾げられた。

そのいたずらっ子のような瞳の輝きに、わたしは何も言えなくなってしまう。


「おいッ!【シュン】!!ふざけんな!!」


パーティー会場の喧騒の中、珍しく焦った廉の声が、わたしたちの背中に飛んで来たのが聞こえてきた。





******

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫