《MUMEI》
植物人間
「植物…」


呟いたネオンは、アルゴンがよく愚痴っていた内容と、自分が今まで見てきたエアーの行動を思い返す。


昼間は日当たりの良い場所で日向ぼっこ


あの栄養剤以外に飲むのは水ばかりで


寒い夜でも水浴びしかしない。


そして


「この、一番高い数値は?」


ネオンは、植物成分の中で、エアーの血液中で群を抜いて高い数値を指差した。


「えっと、それは…」


物学は素人のキセノンは、知人から受け取った説明書を見て確認し


「二酸化炭素を吸い込み、酸素を吐き出す力、ね」


そう、言った。


「…そう」


やっぱり


ネオンが一番印象に残ったエアーの奇妙な行動


人のため息を嬉しそうに吸い込む


その理由がはっきりし、ネオンはスッキリした気持ちだった。


多分、クーちゃんは気付いていたわね


空気に敏感なクーが、エアーの呼吸に気付かないはずはないと、ネオンは思った。


実際、クーはエアーが植物の能力を持つ人間であるとは気付かなかったが


確かにその能力だけには気付いていた。

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