《MUMEI》
社長の異常な執着
「だから、エアーちゃんは、特殊能力の持ち主であると同時に、ソラリアさんのクローンでもあるのよ」

「…ちょっと待って」


納得しかけたネオンは、ある事実を思い出した。


「社長の妻は

ソラリアさんは、もう何年も前に亡くなってるじゃない」


その頃はまだ、クローン技術はそこまで


人間のクローンを作れるまで発達していなかったはず


…そりゃ、成功した今でも人間のクローンは法律違反だけど


「それが、できるのよ」


キセノンの口調は、かなり重い物になった。


「社長はね。ソラリアさんをどこかで今も

冷凍保存してるのよ」

「それって…コールドスリープ?」


それなら問題無いんじゃ…


この時代、不治の病の患者をコールドスリープ


つまり、仮死状態にして、病気の進行を停止させ、将来医学が進歩して治療できるまで保存するという事が


法律で、認められていた。


「…社長はね。決して治らない状態のソラリアさんを無理矢理仮死状態にしてるのよ。

解凍したら、あっという間に、ソラリアさんは死んでしまうわ」


それは、ライトとキセノン、それに社長しか知らない事実だった。

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