《MUMEI》
エアーを作った者
「それって明らかに違法じゃない」


コールドスリープの判断基準はかなり厳しい事を、ネオンは知っていた。


「だから、パパは、社長を何度も説得したわ。

もちろん今も。

でも、ソラリアさんがその状態なのを知っているのは私とパパだけだし

肝心のソラリアさんが、何処にいるのかわからないのよ」

「技術者は?」


コールドスリープをする為には、専門の技術者が必要だ。


「…交通事故死」


キセノンの言葉を聞いた瞬間


ネオンは背筋が寒くなるのを感じた。


まさか、社長が口を封じようとして


「酔っ払いの運転する車が突っ込んだみたいだけど、そもそも、アルコール中毒患者が何故高級品の車に乗ってたのか

完全に酒に溺れてた犯人には、全く言葉は通じなかったわ」

「キセノン…

もしかして、私達、今、危ない状況?」

「社長がエアーちゃんを知っていたらね」

「社長がエアーちゃんを作らせた可能性は?」

「それは、低いかも。ただのクローンならともかく、実験体にするなんて、考えられないから」


社長で無いなら…


ネオンがすぐに思い浮かんだのは


クーから聞いたグリーン博士という人物だった。

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