《MUMEI》 千秋様が居るから怖くない。 長い間、息を殺し身を潜めていた。 廊下は静かだ。 「此処は居ない……」 声がした。 聞き覚えのある声だ。 やっと合流出来る……! 『タマ、待て。』 仲間に安堵して飛び出そうとしたが千秋様の声でその場に留まる。 僕が言われるままにしていると廊下から敵が現れた。 危ない、助けなきゃ! 『タマ、待て』 僕は千秋様の声には反射的に固まってしまうようだ。 「いいのか?主人を裏切って。」 敵は攻撃するのではなく、すぐ横に並んでいた。 おかしい、二人ともまるで共闘してるようだ。 前へ |次へ |
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