《MUMEI》 「変な検索は辞めろ。」 前と同じ、低い声だ。 胸がざわつくのを感じた。 「先輩…俺に一言だけでも……。」 「賢史。」 先輩の低い声が俺を遮った。 「お前が俺の力になりたいって言うのはわかる。 けどな、今回のことは今までの様なのとは違うんだ。 関わらないでくれ、頼むから。」 先輩は苦しそうな表情を浮かべて、 俺に懇願した。 「なんで…俺は関わったらいけないんですか?」 しばらくの沈黙の後、 ポツリと先輩は呟いた。 「賢史には、俺みたいになって欲しくないんだよ。」 俺は凍り付いたように動けなくなった。 前へ |次へ |
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