《MUMEI》

「変な検索は辞めろ。」


前と同じ、低い声だ。


胸がざわつくのを感じた。


「先輩…俺に一言だけでも……。」


「賢史。」


先輩の低い声が俺を遮った。


「お前が俺の力になりたいって言うのはわかる。


けどな、今回のことは今までの様なのとは違うんだ。


関わらないでくれ、頼むから。」


先輩は苦しそうな表情を浮かべて、
俺に懇願した。


「なんで…俺は関わったらいけないんですか?」


しばらくの沈黙の後、
ポツリと先輩は呟いた。


「賢史には、俺みたいになって欲しくないんだよ。」


俺は凍り付いたように動けなくなった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫