《MUMEI》 俺は先輩の足に負けていた、 榊原をマークすることに決めた。 何故なら俺も先輩とほぼ同じスピードで走ることが出来るし、 仮に俺が榊原より速く動くことが出来たなら、 当然カットの成功率は上がるからだ。 俺が榊原にマークしたのを本人が認識した途端、 榊原は声を上げて笑った。 「ハハッ!! 天才少年君、 俺にたて突く気?」 汗でびしょ濡れになった金髪を靡(ナビ)かせながら、 榊原は意地悪く笑った。 「おう、たて突く気や。」 ムッとしてそう答えると、 「ヒュー、関西弁なんて超新鮮!! 強気な視線が痛いねー!」 嫌味な程に今度はにっこりと微笑んだ。 前へ |次へ |
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