《MUMEI》
暗示
『…陛下…陛下?』

陛下は、自分を呼ぶ
声に瞼を開けた。


…あぁ、夢か。


あの時のレイノルド
の表情が脳裏に焼き
付き、数年経った今
でも悪夢をもたらす


哀れなレイノルド…
実母に疎まれた故に
錯乱状態に陥り、そ
の母親を手にかける
とは…。

いや、あれは私の過
ちでもある。王妃が
レイノルドの首に手
をかけた時、王妃の
言い訳を聞いてやる
べきだったのだ。


まさか、母国であん
な密約が交わされて
いたなんて…だから
私は、あの国を徹底
的な壊滅状態に追い
込んだ。

たとえ、その場限り
でも、私には許せな
い嘘だったのだ。

王妃の母国、そして
ショウと夢視の母国
でもある、あの国を
…。


錯乱状態のレイノル
ドに医師を付け、事
件の記憶を操作し、
強い暗示をかけた。

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