《MUMEI》

『陛下、医師のマル
クスが定期報告に来
ておりますが?』


『うむ、通せ。』


返事をして後、マル
クスは陛下の前に現
れた。

医師のマルクスはレ
イノルドに暗示をか
けた精神科の医師だ
定期的にレイノルド
を診て貰っている。


『マルクス、レイノ
ルドの様子はどうだ
?変わりないか?』


『はい、実は少々気
になる点が…。』


『ん?話せ』


『はい、殿下は最近
夢視様に執着されて
いるようで…。』


『あぁ、その話なら
聞いているが、何か
問題でも?』


『殿下は、自分から
人が離れて行くのを
極端に怖れています
王妃が自分を愛さず
他の者へと行こうと
したトラウマがある
のでしょう。
聞けば最近、夢視様
は花を傍に置き愛で
ていると、非常に危
険な状態です。』


『……』

陛下は眉を潜めてマ
ルクスの顔を見た。


『はっきり言って惨
劇が繰り返される怖
れがあります。』

マルクスは陛下の顔
を真っ直ぐに見返し
て、そう告げた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫