《MUMEI》

無我夢中で先輩のいる方向へボールを蹴り上げた。


「っしゃあ!」


先輩の気迫籠った声が聞こえ、
振り返る。


先輩は自分目掛けて降ってくるボールを、
ヘディングシュートで決めるつもりだ。


「ぶちかましたれー!」


だがその背後を見て、
血の気が引いた。


「先輩!

避けろ!!」
















ゴンっ!!!!!


さっきよりも大きく、
鈍い音がコート上に木霊した。

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