《MUMEI》

「いきなり何を言うんですか?冗談なんて止めて下さいよ」


星羅が乃音の目を見ると、冗談を言っている目ではなく視線をズラしてしまった。


乃音が耳朶を優しく掴むので、仕方なく星羅はしゃがみ耳を近づけさせた。


「あたし高校に行って良かったって思ってるの、今大学生だからこんなこと思っているのかもしれないけどもう一回高校行きたいなって思ってる。

中学とは違う体験出来て楽しいよ、いっぱい友達出来たし恋もいっぱいしたしだから挿乙女は族抜けて高校いきな」


「どうして私にそんなことを?」


星羅は低い姿勢のまま乃音に聞いた。

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