《MUMEI》
サルタン
ケインとラント修道
師が外に出ると馬の
手入れをしていたサ
ルタンが声をかけた


『おー話は済んだの
か?ケイン?』


『あぁ、まあな』

不機嫌そうに答える
ケインに苦笑するサ
ルタン。

…どうやら話し合い
はケインにとって面
白くない内容らしい
な…。


『で、坊さんは帰る
のかい?』


『ま、また私を坊さ
ん呼ばわりしてっ!
ゆ、許しませんよ』

顔を真っ赤にして怒
るラント修道師を宥
めながら、サルタン
はケインに告げる。


『俺が、この坊さん
を送って行くから、
ケインはジェルマに
ついてろよ』


『…サルタン?』

ケインはサルタンの
真意が解らずに、首
を捻る。

そんなケインに意味
深な笑いを浮かべな
がら、嫌がるラント
修道師を引き摺る様
にサルタンは歩き出
した。

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