《MUMEI》 和樹のボタンを外し ながら、昌也は思う …参ったな、からか うだけのつもりだっ たのに… …自覚してしまった …そうだった、俺は コイツが、和樹が、 好きだったんだ。 ガキの頃から一緒に 風呂に入ったり、寝 たりしてたのに… 中学に上がって、直 ぐのある日、俺のベ ッドで昼寝してた和 樹の、白いうなじに ドキッとして、思わ ずそっと抱き締めて キスをしてしまった … 俺より、小さくて細 い手足とか、変に意 識し出して… 俺、このままじゃ変 になるって、慌てて 好きでもない女の子 と付き合ったりして … そんで、やっぱ、あ れは一時の気の迷い だったんだって… そう思っていたのに … 和樹に、彼女が出来 たって聞いた時… 俺の中で、何かが溢 れだした。 ー和樹ハ 俺ノモノー ー誰ニモ 渡サナイー それは、俺の醜い独 占欲…和樹にしたら 良い迷惑だよな? 前へ |次へ |
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