《MUMEI》
グリーン博士の研究
「案内の者には会えたか?」

『はい、博士』

「よろしい。では、幸運を祈る」


失敗したら、許さない


そんな気持ちと共に、グリーン博士は部下との会話を終えた。


まさか、こんな面倒な事になるとは…


グリーン博士は、実験体を


エアーを作った時の事を思い出していた。


そもそも、グリーン博士が最初していた研究は『植物と動物の融合』であり


決して、植物人間を作り出すというものでは無かった。


『その研究、息子の為に活かせないだろうか?』


そう社長に言われ


グリーン博士は最初、『酸素を作り出す動物』として


足の生えた植物を作った。


しかし、それはあまりにも醜く不気味な物で、すぐに社長に却下された。


そして、次にグリーン博士は、『植物遺伝子を持つ動物』を作り出そうとし


一般的にペットとされている、あらゆる種類の犬や猫に植物遺伝子を注入した。


そのほとんどは、拒絶反応を起こして死んでしまったが、中には成功例もあった。


しかし、成功した動物はあまりにも小さく、生み出す酸素量も、オゾンが普通に生活するには少なすぎた。

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