《MUMEI》
失敗作
そうして、誕生したエアーが


グリーン博士の予想した酸素排出量を遥かに下回る


失敗作であると判明した時


グリーン博士は、ショックで倒れてしまい、部下達に医務室に運ばれた。


その間、研究室には、エアーだけが残されていた。


そして


再び戻った時、エアーは既に何処にもいなかった。


『鍵はかけたはずなのに!』


最後に研究室を出た部下はそう言ったが


こいつなら、忘れる可能性もある


グリーン博士は、部下を信用しなかった。


「本当に、今度こそ、失敗するなよ」


その為に、優秀な現地ガイドまで高い金を出して雇ってやったのだから


一人、研究室に残ったグリーン博士は、部下三人の朗報を待ちながら


今日も、研究に励んでいた。


結局、今日まで役に立っていたのは、あの


オゾンの部屋にある特殊な植物だけだった。


もっと私の名が後世に残るような大発明をしなければ!


そんなグリーン博士の野望は、叶う。


本人の


周りの


誰もが、予期しなかった形で、だが…

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