《MUMEI》
※会長と歩の場合
八坂 椿視点


「つ、…ばき、様?」


腰の動きを止めた俺を、歩が不思議そうに見上げた


第三ラウンドだから、か


歩の耳には放送は聞こえなかったようだ


それとも、俺のテク、か


「椿様…?」


にやけた俺を、歩がまた呼ぶ


セフレの中でも特に歩の体は具合がいい


だから、特別にベッドの中でだけは名前呼びを許していた


「悪かったな、すぐイカしてやる」

「あ!、…っ、そんな、急に、…っ、は、激し、っ!…」


言いながらも歩の腰は快楽を求めて揺れていた


「こんな俺が好きなくせに」

「あ、あぁ、だ、ダメ、は、あ、…らめ、らめ、もう…」

「イケ」

「あああぁ!」

「…っ」


歩がイッた直後に俺もイッた


やっぱ男だといいよな


妊娠の可能性ねーし


「…お、風呂、先にいただきます」

「あぁ」


よろける歩を見送り、俺は自分の携帯を開いた


反省文はシカトしてもいいが、さすがに


八坂でも観音寺の言う事は無視できない


まぁ、俺の相手は観音寺じゃないけどな

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